夜行フェリー : Night Ferry


函館港で出航を待つ道南自動車フェリー(現・津軽海峡フェリー)

寝ている間に移動ができ、青春18きっぷなどと組み合わせると宿泊費も節約できる夜行フェリー。夜行フェリーには独特の旅情があり、私も学生時代にはよく利用しました。

近年は原油価格高騰で運賃の値上げが相次ぎ、ピーク時に比べて原油価格が下落した現在も運賃は高止まりした状態が続いています。かつてに比べると割安感はやや薄れていますが、ここでは今一度、旅行に便利な夜行フェリーを整理してみたいと思います。(離島航路を除く)

※2010年1月現在
※船体の法定検査時、年末年始、悪天候時などには一部の便が運休となる場合があります。
※燃料油価格変動調整金が導入されている事業者があります。
※長距離航路の場合、繁忙期は運賃が割高となる場合があります。
※駅からフェリー乗り場までの距離が離れている場合があります。


■ 青森~函館

*運航事業者 : 青函フェリー

*2等片道運賃 : 大人1,500円(通常期) ※学生は2割引、ウェブクーポンあり

*運航ダイヤ
・青森23:30→函館3:20、青森2:00→函館5:50
・函館23:30→青森3:20、函館2:00→青森5:50

*レビュー
本来は貨物専用フェリーを運航していた会社でしたが、2000年から一般の人も乗船できるようになりました。私も学生時代に何度か利用したことがあります。原油価格高騰の影響を受けながらも、2等運賃の値上げを最小限に抑えており、通常期の2等運賃は現在も就航当時とほぼ同じです。同区間を運航する津軽海峡フェリーの2等片道運賃は大人2,700円で、やや割高な印象を受けます(かつては両社とも同等の運賃でしたが)。

各便とも、夜行フェリーとしてはやや中途半端な時刻に出発・到着しますが、運賃の安さは魅力的ですし、青森や函館の居酒屋などで深夜まで飲んだ後、2時発のフェリーに乗るのも良いかと思います。夏場であれば、船上から朝焼けが望めます。青森駅から青森港までは徒歩約25分~30分、函館港から五稜郭駅までは徒歩約20分、函館駅までは徒歩約45分です。



■苫小牧東~秋田・新潟

*運航事業者 : 新日本海フェリー

*2等片道運賃(苫小牧東~秋田) : 大人4,200円(A期間) ※学生は2割引(C期間を除く)
*2等片道運賃(苫小牧東~新潟) : 大人6,000円(A期間) ※学生は2割引(C期間を除く)

*運航ダイヤ
・苫小牧東19:30→秋田7:45/9:00→新潟15:30
・新潟23:30→秋田5:50/7:00→苫小牧東17:20 (冬季はダイヤの大幅変更あり)

*レビュー
長距離航路としては比較的運賃が安い印象を受けます。特に苫小牧東から秋田までは利用価値が大きく、秋田到着後は普通列車で当日中に東京までたどり着くことも可能です。苫小牧東から新潟まで行く事もできますが、この場合は新潟から当日中に普通列車で東京までたどり着くことができません。

学生の方であれば繁忙期のC期間を除き、運賃が2割引となります。この場合、苫小牧東~秋田間の2等片道運賃は3,360円、苫小牧~新潟間は4,800円となります。なお、学割の適用を受ける場合は、学校が発行する「学生旅客運賃割引証」を窓口で提示する必要があります。(学生証は利用不可)

就航開始当初は新潟から秋田までの運賃が2,000円以下と安くて利用価値が大きく、私も一度利用したことがあるのですが、現在は3,900円(A期間)で距離に対して割高になってしまい、この区間の利用価値は薄れてしまいました。新潟から利用する場合は苫小牧東まで乗船した方が良いかと思います。

長距離航路なので、フェリーは立派なつくりです。船内には無料で利用できる大浴場もあるので、風呂の心配は必要ありません。毎日運航ではないので、乗船の際は休航日に注意してください。



■神戸~高松

*運航事業者 : ジャンボフェリー

*2等片道運賃 : 大人1,800円 (学生は1.5割引)

*運航ダイヤ
・神戸0:55→高松5:00
・高松0:55→神戸5:00

*レビュー
全国時刻表などで古くから知られた夜行フェリーのひとつで、運賃も安いため、旅行者に高い人気があります。神戸から乗船の場合、高松到着後は早朝から徳島や松山、高知方面の列車に乗り継ぎできます。八幡浜まで行けば、夜行フェリーでさらに別府まで足を伸ばすことも可能です。

三ノ宮駅~フェリー乗り場間、高松駅~フェリー乗り場間には連絡バスが運行されています。連絡バスに乗車すれば、必ずフェリーに乗船できるとのことです。
・三ノ宮駅前発23:30(運賃大人200円)、高松駅前発0:25(運賃無料)
・フェリーターミナル発はフェリーの到着に合わせて運行



■八幡浜~別府

*運行事業者 : 宇和島運輸フェリー

*2等片道運賃 : 大人3,020円 (学生割引はありません)

*運航ダイヤ
・八幡浜0:20→別府3:10 (船内で5:00まで休憩が可能)
・別府23:50→八幡浜2:35(船内で5:30まで休憩が可能)

*レビュー
この夜行フェリーの最大の特徴は、深夜に到着後も5:00、あるいは5:30まで船内で休憩ができる点にあります。とても便利なサービスなので、私も往路・復路ともに何度か利用したことがあります。夜行フェリーらしい旅情が感じられる航路で、鉄道旅行者の乗船も見受けられます。

別府から乗船の場合、八幡浜到着後に高松まで移動すれば、夜行フェリーでさらに神戸まで足を伸ばすことも可能です。学生割引はありません。別府港の最寄り駅は別府大学駅です。


■その他の夜行フェリー
*柳井~三津浜 : 防予汽船
柳井1:55→三津浜4:25、三津浜0:30→柳井2:50の便があります。運賃は2等片道で通常大人3,500円と少し割高。最終・始発列車のことを考えると、柳井発三津浜行きの便のほうが利用しやすいでしょう。

*宇野~高松 : 宇高国道フェリー四国フェリー
24時間運航で、深夜も40分間隔で運航。所要時間は片道約60分。大人の運賃は片道390円、往復700円と格安です。学生割引はありません。
高松・宇野の各駅からフェリーターミナルまでの交通アクセスも良好。往復利用で宿代を節約することも不可能ではありません。ただし、運行時間が短いので、寝るにはやや難があるでしょう。

*和歌山~徳島 : 南海フェリー
和歌山2:40→徳島4:50、徳島3:25→和歌山5:25の便がありますが、利用はあまり現実的ではありません。最近までは和歌山0:30→徳島2:40の便が運航されており、私も一度利用したことがありますが、利用者が少ないため、現在は休航となっています。
運賃は大人片道2,000円で、学生割引はありません。なお、徳島駅から徳島港までは徒歩で50分程度かかります。
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