4/10 東京国際ホステル

@ 東京国際ホステル
@ Tokyo International Hostel

Tokyo International Hostel (18th floor and 19th floor)
※写真は到着翌日の朝に撮影

列車で飯田橋に到着し、今日から東京国際ホステルという場所に3連泊する。今回、東京で宿泊するのにあたって、どこで泊まろうか少し迷った。

今はインターネットでの宿泊予約が一般的になっているし、ネット限定の割安な宿泊プランもたくさんある。私が思うに、東京都心部のホテルの一泊あたりの相場はだいたい6,500円くらいからである。本格的な仕事やプライベートな旅行ならホテルでも全然良いのだが、今回は別にそういう理由で東京を訪れるわけではない。

昨年の冬に釧路のビジネスホテルに泊まったとき、部屋に入って夜食をとりながら、夜遅くまでだらだらとテレビを見て寝てしまったという経験があった。ホテル自体はとても快適だったのだが、あれはなんとも面白くない経験だった。一人旅で東京のホテルに泊まったとしても、たぶん釧路のときと同じように夜食を食べて、飲んで、テレビを見て寝るだけである。これではなんともつまらないではないか、と思ったのだ。

では、せっかく東京に行くならば、宿泊先も東京らしい、あるいは東京ならではの場所が良いのではないかと考えた結果、ホステルでの宿泊という選択肢が浮かんだ。最近、東京では訪日外国人観光客向けのホステルやドミトリー形式の宿が増えている。中には宿泊客のほとんどが外国人というところも結構あるようだ。
私は別に外国語が得意なわけではないが、外国人観光客関連の仕事もしているので、外国人観光客の様子は実際に見てみたい。そこで少しでも勉強になること、ためになることがあればいいなと思った。今回は様子見と言うことで、外国人の他に、ある程度日本人も泊まっていそうな場所を選んでいくことにした。

選択肢は色々あってかなり迷ったのだが、ある日、たまたま東京観光財団のホームページを見ていたところ、「東京国際ホステル」のバナーがあることに気がついた。そういえばここはかつて、東京国際ユースホステルだった場所だ。東京国際ホステルの存在は、長年すっかり忘れていた。
誰がアップロードしたのかはわからないのだが、YouTubeには魅力的なスライドショーもあった。



という訳で、今回は東京国際ホステルに泊まることを決めた。ホステルは飯田橋駅から歩いてすぐの場所にあるらしい。飯田橋はJR線、地下鉄南北線、地下鉄東西線、地下鉄有楽町線、都営大江戸線が交わり、交通アクセスも申し分ない。

余談になるが、最初は東京での宿泊地について特に書くつもりはなかった。しかし、東京国際ホステルに関しては、インターネット上ではトリップアドバイザーの一部を除き、日本語で書かれた口コミやブログでの感想などがほとんど無いのである。
口コミの評価が全てだとは全く思わないが、それ以前に口コミや個人的な感想さえほとんど無いというのには少し驚いた。これに関しては、東京隅田川ユースホステルや東京代々木ユースホステルも同様である。どういう理由なのかはよくわからないが、これらの宿を利用する日本人がそれほど多くないのは確かなようだ。

また、今は非公開機能を備えるSNSの日記などで感想を書く人も結構いるようなので、googleなどの検索では口コミや感想が表立って出てこない気もする。口コミや感想などがSNS内で完結してgoogleなどの検索エンジンの検索結果で表立って出てこなくなる反面、googleやyahooでの検索需要は確実に高まっている。
しかし皆が皆、口コミや感想を非公開機能を備えるSNSで書くようになってしまうと、検索エンジンが提供する検索結果の情報の質や価値は下がり(実際、下がっているような気もするが)、口コミや感想というのはますます表立って出てこなくなるのではないか。
もっとも、究極的にはSNSの網羅する情報量が、検索エンジンのそれを超越することも考えられなくないが、そうなれば検索エンジンはいったい何のためにあるのか、ということになるかもしれない。ただ、そのような時代がすぐに来るとは思えないし、おそらく来ないと思う。

となれば、実際はどんなものなのか、やはり自分の目で確かめて書き残し、世界中の人に見てもらいたいと思った。この旅日記もやはり多くの人々の目に触れることによって、様々な情報を伝えられれば、と思って書いている。



Entrance of Tokyo International Hostel
東京国際ホステルが入居するセントラルプラザはJR飯田橋駅から歩いて本当にすぐの場所にあった。あまりにも近かったので、最初は驚いた。ホステルは東京都飯田橋庁舎やオフィスビル、商業施設などが入居する「セントラルプラザ」の18階・19階に位置しており、18階に受付がある。これは中々面白い立地だ。

フロントでチェックインをしていると、後ろでドイツ語を話している外国人がいた。宿泊料金は一般・ホステル非会員が大人1泊3,860円、ホステル会員・高校生が大人1泊3,360円。ユースホステル会員の場合でもホステル会員料金が適用される。朝食・夕食は別料金。申し分ない立地なのに、この料金設定は素晴らしい。チェックインを済ませ、部屋に入る。


Western-style guest room (04 persons room)
私が泊まる部屋は2段ベットを有する4人部屋だった。このほかに8人部屋や10人部屋、家族用の和室もある。宿泊室は男女別室・相部屋で、定員は158人。


Bed room
このベッドは中々うまくできていて、仕切りのカーテンや読書灯を備えている。掛け布団は無く、代わりに毛布が2枚ある。寝台車のベッドのような雰囲気だ。私には2段ベットの上段が割り当てられていた。


Locker
入口には鍵を掛けられるハンガー付きのロッカーが1人につき1台あった。結構大きな荷物が入るので、昼間はここに荷物を置いて出かければよい。


Night view from the guest room
部屋からの夜景が素晴らしい。新宿方面の夜景が特によく見える。これもこのホステルの魅力のひとつと言えるだろう。

この晩、同室には親戚の葬式で奈良県からいらした方、娘さんのお産が近いので大阪府からいらした方、教育関係の講習などで福岡県からいらした方の3人が泊まった。そのうち1人は2泊、2人は3泊していくという。奈良からいらした方は海外での勤務経験が豊富だったそうで、中南米やヨーロッパ、アジア各国でそれぞれ数年働いていたことがあるという。皆さん、英語はかなり堪能の様子だった。

この日の夜は部屋で主に外国人観光客について語った気がするのだが、「日本を訪れる外国人は日本人以上に日本のことを知っている」ということが話題になった。
端からみれば「?」と思う人もいるかもしれないが、私はそのことがよくわかるような気がした。確かに、外国人観光客は日本の観光情報について、本当によく知っている。それは私の仕事においても強く実感しているところだ。

情報の調べ方もすごいが、特に情報交換や口コミは驚異的なものがある。日本人にあまり知られていないような場所や店も、外国人間同士での口コミで良い話が広がれば、知名度は一気に上がる。例えば、ロンリープラネット「日本」(英語版)で紹介されていた店を外国人観光客が訪れたところ、当の店側はそのことを知らなかった、といった記事を新聞のどこかで見た。

不況の要素は別にして、何故日本を訪れる外国人観光客は増え続けているのか、と言った点に話が進むと、やはり外国人の誰かが口コミやブログなどで良い情報を伝えたり、やり取りしているのではないか、ということになった。
良い口コミや評判が広がらなければ、日本を訪れる観光客は増えないだろう。やはり誰かが良い口コミや評判を伝えているのである。
そしてそれらの情報は、おそらく日本人のあまり目につかないところでやり取りされている。しかもそれは日本のSNSや会員制サイトなどの閉鎖的な空間とは異なり、かなりオープンな形で行われている。特定の閉鎖的なコミュニティに固まったりはしないのだ。

さらに奈良の方は、外国人観光客はモノやサービスの値段にとても敏感だとも言っていた。例えば同じモノの値段を比較する場合、彼らは少しでも安い方に目が向く場合が多いのだという。そのような情報にはとても敏感なのだそうだ。海外での勤務経験が豊富だった方だけあって、話には説得力があった。

そうであれば私が思うに、最近北海道の役所や旅行関連会社、マスメディアの一部が「富裕層を獲得せよ」とばかり盛んに騒いでいる傾向というのは、やはり明らかに方向性が間違っているのではないかと感じた。
確かに富裕層は客単価が高いし、落としていくお金もかなりのものだから、もちろん歓迎はされるべきである。しかし一方で、良質で安価なものを求める外国人観光客は数多くいる、そう確信した。また、彼らは多少価格が高くても質がよければお金を出していく。

それ以上に、私は観光・旅行というものが誰もが気軽に楽しめるものでなければ面白くないと思うし、それが本来のあるべき姿ではないかと思う。
役所や旅行関連会社が今後も富裕層の獲得競争を騒ぎ立て、過熱させ続けていくのであれば、私はその逆の道を行ってもよいと思った。

ホステルは23時で自動的に消灯となる。普段、23時に寝ることなど無いから、こういう生活を普段から続けることができるならば、かなり健康的な生活が送れるような気がする。


View from the guest room
翌日は朝の6時過ぎに起床。新宿方面の眺望がよい。


View from the guest room (Shinjuku area)
新宿の超高層ビル群を望む。

朝食はホステルの食堂で取る。私たちが一番最初に食事を始めたのだが、その後どんどん西欧系の外国人がやってきて、気がつけば客席の9割以上は外国人だった。様々な国の人が集う、このインターナショナルな雰囲気は東京で無ければ中々味わえない。朝食はパンとハム、サラダ、オレンジジュースという素朴なものだが、この雰囲気は食事代を払ってでも味わう価値が十分にあると思った。

今回、朝食は毎日ホステルで取ることにしている。夕食については帰りの時間が読めないので取っていないのだが、この雰囲気を味わえるのならば、夕食をここで取るのも面白そうだ。

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