4/10 白河市街

約1時間ほどで白河小峰城の見学を終え、一度白河駅前に戻る。ちょうど黒磯行きの普通列車が到着する時間だったが、今日は白河から約1時間後の列車に乗車する予定でいるので、とりあえず白河市の中心部方面へ適当に歩いてみることにする。このエリアにはお寺が点在しているらしい。

@ 白河ハリストス正教会
@ Shirakawa Orthodox Church

Shirakawa Orthodox Church
駅から徒歩5分の場所にある白河ハリストス正教会。福島県指定重要文化財で、基本的に外観のみ見学可能。1915年(大正3年)に完成したビザンチン様式の雰囲気が漂う建築物で、設計者は函館聖堂や豊橋聖堂の設計も担当した河村伊蔵。


白河市役所の前を通り過ぎると、「妙関寺 乙姫桜」と「関川寺 結城桜」と書かれた看板が道沿いに立っていた。とりあえずこの交差点を左折して乙姫桜のほうへ向かって歩いてみる。


白河市役所の横の歩道を抜けると、谷津田川の川沿いに出た。市役所の裏にこのような川があるのは少し驚きだった。川底には白河石の岩盤が露出している。このあたりの寺院は観光名所になっているらしく、団体の観光客も歩いていた。写真左手の建物は復元された水車小屋。


水車小屋の前に行ってみる。谷津田川の流域には江戸時代後期から昭和時代前期まで水車群が点在しており、精米が行われていたという。現在までの9箇所の水車小屋が確認されている。

@ 妙関寺 乙女桜
@ Myokanji Temple Otome-Zakura

市役所前から7分ほど歩いた場所にある寺院で、境内に樹齢約400年の立派な桜がある。桜はまだ咲いていなかった。この桜は伊達政宗が将軍家に献木の途中、休憩で立ち寄ったさい、寺の住職が懇願してその一本を譲り受けたことに由来するという。


境内の地蔵は綺麗に手入れされていた。


妙関寺から妙徳寺に向かって歩く。道路沿いには随分と古そうな墓碑が立っている。

@ 妙徳寺
@ Myotokuji Temple

こちらの境内にも立派な桜の木が立っていた。桜はまだ咲いていない。


境内には古そうな石像が立っていた。


道路沿いには明らかに城跡のものと思われる高い土塁が残っていた。中世から江戸時代初期にかけて、この場所に関川寺(かんせんじ)の館が存在していたという。

@ 関川寺
@ Kansenji Temple

関川寺と書いて「かんせんじ」と呼ぶ。元々は「関銭院」と称したと伝えられており、「関銭(通行料)」を取ったことが由来と言われる。現在地には1591年(天正9年)に移転したという。境内の桜はまだ咲いていなかった。


白河市街の散策は意外と面白かった。白河駅に戻り、しばし列車を待つ。この駅は終日有人駅なのだが、この駅も窓口休止時間が随分と多い。しかし、白河程度の規模の駅でも改札が無人の時間帯があるとは、少し驚きだ。
時間があったので、駅の自動券売機でPASMOの残額を確認しようとする。が、白河はPASMOが使えないことを思い出した。黒磯から矢吹までの区間はSuicaやPASMOが使えないのだ。使えない理由は容易に想像がつくのだが、このあたりの柔軟性のなさは、IC乗車券の欠点といったところか。


白河駅のホームから白河小峰城を眺める。

# 白河15:56→黒磯16:23 (JR・普通列車黒磯行き)
# Shirakawa 15:56 ~ Kuroiso 16:23 (JR, local train, bound for Kuroiso)

Shirakawa Station and local train
事前情報ではワンマン列車だったと思うのだが、車掌が乗務していた。701系の2両編成で、車内は予想通り旅行客で混雑。黒磯まで通路に立つことになった。それでも乗車時間は長くないので、それほど気にはならなかった。結局、青森から黒磯まで乗車した列車の車種は、青森~東青森間と臨時列車を除き、全て701系だった。

さて、青森を出発してからここまで、東青森、いわて沼宮内、平泉、仙台、福島、白河の順に途中下車しながら観光してきたが、これにも一応理由がある。乗り継ぎを含めて連続して列車に乗車する時間を一度につき約3時間半以内に抑え、途中下車駅の間隔にも均等性を持たせるようにした。701系のような普通列車に連続して4時間以上列車に乗り続けるのは、今の私にとってはとても厳しい。列車の乗り継ぎで疲れ、くたびれるような旅行が楽しいものになるとは思えない。

学生時代ならまだしも、東北本線は今までに何度となく乗車しているし、今となっては青森~東京間を普通列車でただひたすら移動するような旅行は面白みに欠ける。それでもこの旅行はかなりの駆け足である。青森~東京間の沿線を寄り道しながらじっくり観光するなら、1週間あっても全然足りない。

列車は黒磯駅に到着し、大勢の旅行客が駆け足で上野行きの快速列車に乗り換えていた。地元の人も「いやぁ、すごい数の人だなぁ」と驚きの言葉を発していた。

# 黒磯16:35→上野19:10 (JR・快速列車「ラビット」上野行き)
# Kuroiso 16:35 ~ Ueno 19:10 (JR, rapid train "Rabbit", bound for Ueno)

Green car (first class)
黒磯からは先は迷うことなくグリーン車に乗車する。疲れを溜めずに列車で東京入りしたいと考えたとき、最後はこの列車のグリーン車に乗車しようと決めていた。今日は土曜なので、上野までのグリーン料金は750円で済む。駅の自動券売機でグリーン券を購入し、さっそく2階席に座る。グリーン車には同様の旅行者がちらほらと座っていた。

事前に知って驚いたのだが、上野~黒磯間の距離は160km近くもある。これは北海道で言えば、札幌から旭川を超えて比布付近まで到達してしまう長距離である。さすがに札幌から比布までに相当する距離を231系の硬いロングシート(一部にボックスシートもあるが)で過ごす気にはなれない。これも迷うことなくグリーン車に乗車するひとつのきっかけになった。

黒磯からグリーン車に乗車するのは初めて。アルコールを飲み、軽い夕食を取りながら、高い位置から車窓をじっくりと観察する。宇都宮の発車時点でグリーン座席の大半が埋まった。徐々に日が暮れ始め、大宮到着時点で車窓はすっかり暗くなった。
列車で東京へ行く場合、徐々に車窓風景が変化していくのがとても面白いのだが、東北本線を南下する場合、大宮あたりから車窓が急激に変わるので、いきなりどこからかワープしてきたような錯覚を感じる。

グリーン車の混雑は赤羽で終焉し、19時10分に上野に到着した。2年ぶりの東京だ。列車で東京に来たのは4年ぶり。
上野からは京浜東北線の列車に乗車し、秋葉原で中央・総武線の普通列車に乗り換え、飯田橋へ向かった。飯田橋での下車を持って、5日間の「北海道&東日本パス」での旅行は完結した。明日から4月13日までは東京の都心部をめぐる。
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